三重県津市の怪談といえば
夏になると必ず話題に上る怖い話や心霊スポットなど、怪談が好きな人は多いですよね。
インターネットでも夏休みにはたくさんの怪談が飛び交います。
三重県津市が舞台となっている怪談でトップに挙げられるのは、やはり中河原海岸でおきた女子中学生の水難事故にまつわる話でしょう。
昭和30年8月27日、津市立橋北中学校の女生徒が海岸での水泳授業中に水難事故にあい、36名が死亡しました。
被害だけを見ても凄惨な事故であることがわかりますが、なんとか助かった生存者からは奇妙な話がもたらされたのです。
「水中から防空頭巾をかぶった女子に足を引っ張られたー」
この話、津市ではもちろんのこと、雑誌やテレビなどで紹介されたこともあり、市外の人でも知っている人が結構います。
ネット上でもかなりの数の動画がアップロードされています。リンク先から探してみてください。こちら
事故と怪談の関係について書いた本が出版された
さて、61年前の事故が元になった怪談ですが、今年になって一つの本が出版されました。
洋泉社MOOK「怪奇秘宝」
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(本には発行日が2016年9月5日と書いてあります。)
津山三十人殺しについての記事や伊藤潤二氏、丸尾末広氏のインタビュー記事など、知っている人にはかなり読み応えのある本ですが、この本の中に中河原海岸水難事故にまつわる長編ルポが掲載されているのです。
しかも20ページとかなりのボリュームです。
実際の事故とフォークロアとしての怪談の関係
筆者は津市を訪れ、事故当時水泳に参加せず生き残ったA氏、事故発生直後に生徒の捜索に参加したT氏を取材、細かな証言を引き出しています。
また、事故が怪談として紹介された週刊誌の記事などを調査し、その変遷をたどります。
そして怪談がメディア上で加速する新たなフォークロア(民俗伝承)の側面があることに気づくのです。
フォークロアは歴史を語り継ぐとともに、科学による現象の解明が一般化する以前には、世界で起こる現象を説明する機能を担っていました。そして象徴的な物語化によって人の記憶に留めやすくするのです。
怪談もフォークロアとしての機能を持つと筆者が気づき、証言・記事を重ねあわせた時、話は思わぬ様相を現し始めるのです、、、
筆者の主張する結論は真実なのか?それはみなさんの目で確かめてください。
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